ショコラの海に溺れたい話

お題「ちょっとした贅沢」

 

ご無沙汰しております。

前回更新したときから、かなりの日にちが経って、わたしは23歳になって、今までアルバイトしていた会社についに受かって、念願叶って就職した。

栄転ってやつなんだろうか。同じ会社と言えども配属は変わったので、2年間お世話になった職場に別れを告げ、新しい拠点を何個か飛び回っている。通勤時間が長いこともあってか、精神的、肉体的な疲労が、ぽちぽち。ぽちぽち。

 

そのためか、最近、たいへんチョコレートにはまっている。

都内のショコラトリーに出向いては自分のためにチョコを買って、毎日少しずつ食べる。

仕事があろうとなかろうと、疲れていようといまいと、毎日毎日少しずつショコラを消化する。

冷蔵庫には何個もボンボン・ショコラオランジェットのストックがあり、いくつかのブランドを食べ比べて、幸せな気持ちになっている。

これ、「ちょっとした」じゃなくて、「かなりの」贅沢ね。

特に好きなのはDEMELのオランジェット。まずオレンジの周りのチョコの、分厚くて濃厚なこと。オレンジの香りがチョコ本来の美味しさを全力で引き出している。口に含む瞬間の「パキッ」で幸せ度がたいへんに高くなる。とにかく幸せ。"猫の舌"シリーズはスウィート味が特に好き。気軽さとあの口どけのよさに毎回びっくりしちゃう。なめらかで安定的なおいしさ。

あとはヴィタメールも口にするのがおこがましいほどのハッピーさ。とくにボンボン・ショコラのセルフチョイスできるシリーズが好き。昨日食べておいしかったのは、フランボワーズ風味のガナッシュが繊細な薄さのチョコでコーティングされたもの。噛んだ瞬間に溢れるフランボワーズで、気を失いそうになった。

デオブロマは本当に最高。コニャックの入ったトリュフの、存在そのものがあるのかどうなのか分からなくなるくらいの口どけのよさ。唐辛子風味のボンボン・ショコラの、スパイスがショコラと絶妙に交わる時の高揚感。変わり種のチョコって実は苦手だったのだけれど、これはもはや変わり種ではなく、新しいジャンルとして確立している感ある。かなりのおいしさ。

 

あとは神としか言いようのない、ピエールマルコリーニにジャンポールエヴァンに…って、書いていくともう止まらないから、あとは割愛させて頂きます。

タイトルの「ショコラの海に溺れたい話」。

冒頭の話に戻るけど、4月から本当に通勤時間が長くて、往復4時間かかるの。だから電車の中でできる暇つぶしが本当に上手になった。そこで、携帯でドラマを見ることがとても多くなって、今回、失恋ショコラティエを改めて見たわけですよ。

失恋ショコラティエといえば個人的なエピソードがあって、3年前にこのドラマをリアルタイムでやっていた時、当時好きだった人と、それぞれの自宅でこのドラマを見ながら、同時に電話をしてたのね。

わたしは石原さとみがものすごく大好きだから毎回欠かさず見ていて、このドラマへの感情移入もすごかったわけです。

ちょうどその時見ていたのが、みんながばたばたと失恋する回で、まあお調子者なわたしは「うわ〜!わたしも失恋したい!」って口走ったの。電話口でね。

そしたら、その3日後にその彼からさよならを告げられてしまい、見事に有言実行。しくしく。

もう3年も経ったのに、そこから誰と付き合っても、皮肉なことにあの人よりも好きな人ができないので、口は災いのもとだなぁ、と身につまされたものです。

 

そんなこんながありまして、"失恋ショコラティエ"は、私にとってすごく怖いものになってしまっていたんですね。まあ失恋ショコラティエは何も悪くない。悪いのはお調子者なわたし…。

でも相変わらず、チョコレートも石原さとみも何なら松潤も大好きなので、心のどこかではまた見たいな、触れたいな、素敵だな、と思う世界だったのと、通勤中かなり暇だったことも相まって、勇気を出して見てみたら

まあ最高。

控えめに言っても最高。やっぱりわたしも失恋したい〜!イェーイ!ってなるくらい最高。

何なんだろうねこのドラマ。わたしの何かがバカになる感じがある。本当にきれいで、繊細で、愛らしくて、でも同じくらいドロドロして、醜くて、美しい。主要人物のほとんどが失恋して、何ならわたしも失恋した。

 

オープニングで松潤がショコラの海に溺れるシーン。ショコラを口にするたびに、あのシーンが脳裏に浮かぶ。口の中に溢れるショコラだけでなく、体中がショコラに溺れている気になる。

わたしはその度に、誰かをものすごく愛するような、そして失恋するような気持ちになる。でもまた口どけが恋しくて、ショコラを食べざるを得ない。もうそういう風にしか、幸せを感じられないのかもしれないとも思う。

3年前からなのか、チョコレートを食べ始めてからなのか、恋をしてからなのか、わからないけど、もうショコラの海に溺れたくてたまらない。

 

あー、ちょっとごめんなさい、チョコレート、食べてくるね。

 

 

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みー (23)

社会人1年目